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さっぽろレインボープライドが今週末開催されます

2023年09月13日

 さっぽろレインボープライドが9月16日・17日の2日間、南1条西2丁目〜3丁目(パルコ・三越前)の特設会場「レインボーストリート」で開催されます。「#雨上がりの札幌は美しい」がテーマです。

さっぽろレインボープライド
日時:9月16日(土)・17日(日) 11:30-17:00
会場:レインボーストリート(札幌市 南1条西2丁目〜3丁目、パルコ・三越前)
MC:中村笑野、パルプ、まちゃまちゃ
ステージ出演:ミュージカル劇団 もえぎ色、インストギターデュオ Poronociw、KOTFE、HITOMI、寺長根愛、佐々木みなみ

 札幌では、東京に続いて1996年からパレードが開催されてきた歴史があり、今年で通算23回目を数えます。「さっぽろレインボープライド」となってからは6回目です。昨年は『エゴイスト』の鈴木亮平さんがご挨拶するという素敵な出来事もあり、オンラインを含め1万5000人近くが参加しました。

 今年は、ライフネット生命などたくさんの企業や団体がブースを出展し、ステージパフォーマンスでもKOTFEさんらが出演し、2日間にわたって盛りだくさんなイベントになりそうです。パレードは2日目に開催され、アフターパーティ「HOLE」をはじめ、関連イベントもたくさんあります。

 実行委員会の柳谷由美さんは「応援してくださってる方だったりとか、ほんとにたくさんの方がいらっしゃるんだということを自分自身の励みにしながら当日を迎えたいなという風に思います」と、副実行委員長でドラァグクイーンの満島てる子さんは「当事者がどのように生き、どんな社会問題に直面しているかを発信する機会にしたい」と語っています。

 2日目には秋元市長も来場予定ですが、それに先立ち、12日の記者会見で、さっぽろレインボープライドの開催についてコメントを求められた市長は、「このパレードは、性的マイノリティの方の存在をお知らせする、多様性を認め合うという大切な機会・場であると認識しております。当日、私も応援メッセージをお伝えするために参加させていただきますけれども、札幌では、このレインボープライドが行われる以前の1996年からパレードが行われておりますので、そこからの回数を数えますと、もう23回目の開催という状況になります。徐々に、パートナーシップ宣誓制度のような取り組みをする自治体の数も増えてきたり、企業でもいろいろな取り組みをする企業が増えてきているということで、社会的な認知はだんだん広がってきているとは思います。ただ、なかなか外に対して自身のことを言えないというようなことや、差別的な対応もまだまだあろうかと思います。そういう意味では、誰もがお互いを尊重し認め合う社会、まさに共生社会の実現に向けて、これからも札幌市として取り組んでいきたいと思っておりますので、主催されている方々と一緒に、共生社会の実現に向けた取り組みを進めていきたいと強く思っています」と語りました。(詳細はこちら

 なお、札幌市は来年度、障害の有無や文化の違い、年齢、性別、SOGIにかかわらず、誰もが多様性を尊重する共生社会の実現に向けた理念を行政と市民、事業者が共有するための「共生社会推進条例(仮称)」を制定する考えです。東京都が五輪に向けて人権尊重条例を制定したのと同様、2030年冬季五輪・パラリンピック招致を見据えた動きです。11日に庁内の関係部署が横断的に議論する「ユニバーサル推進本部」が発足し、初会合が開かれました。LGBTQや障害者、有識者らによる委員会を11月にも立ち上げ、庁内外での議論を経て条例制定を目指すそうです。

 一方、北海道としては、元道職員の方がパートナーが同性であることを理由に扶養手当の支給が認められなかったのは法の下の平等を定めた憲法に違反するとして訴えた裁判で、札幌地裁が(過去に最高裁で事実婚と同等だとする判決が下っているにもかかわらず)憲法に違反するかどうかの判断すらせず、原告の訴えを退ける判決を下すという、たいへん残念な出来事がありました(詳細はこちら。道知事のコメントはこちら
 札幌のLGBTQコミュニティは、日本で初めて市長さんのパレード参加を実現したり、様々な先進的な取組みを見せてきましたし(同性パートナーシップ証明制度も政令市で初めて実現)、札幌市はLGBTQに対してとても支援的で、素晴らしいのですが、北海道としては、まだまだ課題がありそうです。

 今回のパレードはきっと、そうしたことを踏まえ、コミュニティの祝祭であると同時に、道内の当事者の生きづらさの解消につながるような意義あるイベントになることでしょう。実行委員会や関係各所、協賛企業の方々等に敬意を表します。


【追記】2023.9.16
 副実行委員長でドラァグクイーンの満島てる子さんのインタビューが朝日新聞に載ってました。
 大学のとき、好きになった人に告白したけどフラれてしまい、自暴自棄になって大学を休み、その彼に「ゲイバーでも行ってみたら」とすすめられるも、怖くてなかなか行けず、日本酒を一升瓶半分くらい飲んでベロベロになった状態で向かったけど、それでもドアを開けられず…とか、やっと入ったお店でドラァグをすすめられたけど「やったら女になっちゃうんじゃないか」という謎の恐怖感があったとか、たいへん面白いお話でした。そんなてる子さんが今ではドラァグしてステージでショーをしたりお店のママになったり、パレードを開催しているのだから、人生ってわからないものですね。
 
 

参考記事:
「偏見のない社会を」性的マイノリティーの人たちへの理解広げる「さっぽろレインボープライド」9月に開催(HTB北海道ニュース)
https://www.htb.co.jp/news/archives_22217.html

多様な性、伝える場に 9月16、17日、札幌でレインボープライド(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/899778/

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