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【婚姻平等訴訟】名古屋高裁で控訴審が始まり、原告が「私たちが求めるのはあくまでも婚姻平等の実現」と訴えました

2023年10月27日

 同性カップルの結婚が認められないのは憲法違反だと主張して国を訴えている「結婚の自由をすべての人に」訴訟。愛知訴訟では今年5月に違憲判決が出ていましたが、原告の同性カップルは控訴し、10月27日、名古屋高等裁判所で控訴審が始まりました。

 
 「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟は、愛知県内に住む30代の男性カップルが原告となっています。
 今年5月、名古屋地裁は「同性カップルを保護する枠組みすら与えていない」などとして違憲であるとの判断を示しました。しかし(初の違憲判決が出た北海道訴訟と同様)、原告側は「地裁の判断は婚姻以外の制度で対応する余地を残している」などの理由で控訴していました。
 そうして10月27日、名古屋高裁(片田信宏裁判長)で控訴審が始まり、第1回口頭弁論が開かれました。原告弁護団は一審の違憲判断について評価はしたものの「国の対応は不十分」と意見陳述し、「婚姻制度から排除され続けては平等は実現せず、違憲性が解消されることはない。私たちが求めるのはあくまでも婚姻の平等だ」と訴え、原告の鷹見彰一さん(仮名)も「この国が人権においても先進国として胸を張れて、誰もが互いを認め合い、助け合える社会の実現に向けた判決をお願いしたい」と訴えました。一方、国側は「結婚は異性カップルを前提としたものであり、憲法に違反しない」などと主張して、控訴の棄却を求めました。
 
 鷹見彰一さんは、会見で「一審判決のあとも国のやる気は感じられません。臨時国会が開かれていますが、岸田総理の回答を聞くと、当事者の立場には少しも立っていないと感じられます。『怒り』よりは『あきれ』のほうが大きい。現在も結婚ができなかったために苦しんでいる同性カップルがいる。いち早く良い判決に結び付けていけるようにしたいという意気込みでいる」と語りました。

 次の期日(弁論)は、来年2月に開かれる予定です。
 


 今年6月に「結婚の自由をすべての人に」全国5ヵ所の判決が出揃い、いずれの地裁も社会の変化や生活上の不利益などを考慮し、同性カップルを法律上も家族と認めるよう国に立法措置を求める判決となっていました(ただし、結婚ではない、海外のシビルユニオンや同性パートナー法などのような特別法の制定もありえるという判断を示す地裁もありました。鷹見さんをはじめ、全国の弁護団は、そうではなく、あくまでも婚姻平等を求めるという構えで一致しています)
 今月は、性同一性障害特例法の要件をめぐる画期的な違憲判決が静岡家裁最高裁で出ています。これまでのコミュニティの運動と社会の変化が、この素晴らしい判決を後押ししています。最高裁で違憲とされているわけですから、国は速やかに法改正を行わなくてはいけません。同性婚についてもきっと、何年後かに、最高裁で違憲判決が下されるのではないでしょうか。その日のために(その日の前に、国会で認めてくださるほうがいいのですが)私たちもこの訴訟を見守り、応援していきましょう。
 


参考記事:
同性婚訴訟2審始まる 原告側「婚姻の平等求める」(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20231027/3000032482.html
30代男性カップル「良い判決に結びつけたい」 “同性婚訴訟”控訴審が始まる 国に損害賠償求める(CBCテレビ)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/803381
男性カップルが国に損害賠償を求めた訴訟、控訴審が始まる 原告「国の対応は不十分」(メ〜テレ)
https://www.nagoyatv.com/news/?id=021402
同性婚訴訟、控訴審始まる 一審は「違憲」 名古屋高裁(時事通信)
https://sp.m.jiji.com/article/show/3083837
同性婚訴訟 「異性カップルと同じ」 原告、初弁論で訴え 名古屋高裁(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20231028/ddl/k23/040/092000c
同性婚の控訴審、国に賠償求める…名古屋高裁で初弁論(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/chubu/news/20231028-OYTNT50001/
同性婚控訴審、愛知のカップルと国側がそれぞれ主張 名古屋高裁で始まる(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/797294

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