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違憲判断を勝ち取った鈴木げんさんが、性別表記が変更された住民票を受け取り、喜びを語りました 

2023年12月07日

 今年10月、性別適合手術を受けなくても戸籍の性別を変更できるよう家裁に申し立てた浜松市のトランス男性・鈴木げんさんの訴えについて、静岡家裁が現行の「性同一性障害特例法」の4号要件(不妊手術の強制)は憲法違反だとする画期的な判断を示し、戸籍上の性別を女性から男性へ変更することが認められました(詳細はこちら)。その鈴木げんさんが7日、浜松市役所で性別の表記が変更された住民票などを受け取り、喜びを語りました。
 違憲無効の判断を前提に性別変更が認められたのは初めてのことです。

 10月11日の家裁の決定を受け、浜松市役所は法務局に問い合わせるなどしたうえで、戸籍の性別変更に関する手続きを進めていました。
 鈴木さんは7日、市役所の窓口を訪れ、住民票と戸籍謄本の交付手続きを行ないました。住民票の性別欄が「男」と記載されているのを確認し、「多くの人にとって当たり前だったことが、僕にもやっと当たり前になった。その証明をいただいたのはうれしい。記念すべき節目の一つ」と語りました。
 同行したパートナーの国井良子さんは「(書類を)じっくり見てニコニコしているのは初めて」と語りました。これまで鈴木さんは、性自認と異なる性別が記載されている住民票や保険証を見ると不機嫌になったり、窓口での交渉が煩わしく通院を嫌がったりしていたといいます。国井さんは「私も安心して付き添える」と笑顔で語りました。
 鈴木さんの性別変更によって、二人は法律上の結婚も可能になり、「多くの人が当たり前に持っている権利を持つことができた」と喜んでいました。ただ、婚姻の手続きについては、今の法律で結婚が認められていない同性カップルの人たちなどの状況が進展するのを待ちたいということです。

 鈴木さんのもとには「性別 男」と記載された新しい保険証も届いたそうで、新しい住民票をもとに、免許証などの手続きもしていくそうです。
 
 鈴木さんの審判決定後、最高裁でも特例法の4号要件(不妊化要件)を違憲とする決定が出されました(詳細はこちら)。これを受け、国会でも特例法を改正する動きが見られます。鈴木さんは「運動としてはまだまだ続く」とし、トランスジェンダーの仲間が暮らしやすい社会に向けて活動していく考えを示しました。「声を上げると仲間ができるし、仲間ができたら社会は変えられるっていうことが子どもたちに伝わったんじゃないかなと思っています」「すべての人にとってその人が生活している性別や性自認どおりの性別が尊重される社会になっていったらいいなと思います」
 

参考記事:
鈴木げんさん”手術なしで性別変更”戸籍謄本受け取る 浜松市(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20231207/3030022424.html
「これからも男性として生活をしていくだけ」手術なしの変更で女性から男性へ 鈴木げんさん49歳 住民票を受け取る=浜松(静岡放送)
https://www.youtube.com/watch?v=aFmxrlw5z6Y
住民票が「女性」から「男性」へ 手術なしで性別変更を確認 「やっと当たり前になった」 静岡(テレビ静岡)
https://www.sut-tv.com/news/indiv/24645/
戸籍上も女性から男性へ 「男性」に変更された戸籍謄本、住民票を受け取る 浜松市・鈴木げんさん(静岡朝日テレビ)
https://look.satv.co.jp/content_news/politics_economic/26112
「安心して過ごせる」 性別変更した住民票取得(共同通信)
https://www.47news.jp/10231673p2.html
「男」に変わった住民票取得 鈴木げんさん「記念すべき節目の一つ」(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASRD762LPRD7UTPB00G.html
男性の証明「うれしい」 「女」から「男」性別変更後の住民票取得 浜松市の鈴木さん
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1371089.html

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