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【同性パートナーシップ証明制度】岡山県早島町、石川県かほく市、山梨県甲斐市などで制度スタート

2023年12月11日

 全国の「パートナーシップ宣誓制度」や「ファミリーシップ制度」の動きに関するニュースです。今回は、南からお伝えしていきます。

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 長崎県諌早市議会に「パートナーシップ宣誓制度」の制定を求める請願が提出され、8日、委員会での審査が行なわれ、全会一致で採択、14日に開かれる最終本会議で採決が行なわれることになりました。
 提出したのは藤山裕太郎さんと松浦慶太さんのカップルで、お二人はもともと兵庫県尼崎市でパートナーシップ宣誓し、神社で結婚式も挙げましたが、来年春には藤山さんのふるさとの諫早市にUターンする予定だそうで、今回、制度の制定を求めて請願を提出したということです。
 藤山裕太郎さんは、「もともと尼崎市で申請のきっかけになったのはパートナーが救急車で運ばれたことだった。私は病院で家族ではなく他人扱いを受け病状の説明を一切受けることができなかった」「できるだけ早く(制度を制定)してほしい」と話しています。
 松浦慶太さんは、「自分たちの関係をありのままに伝えて受け入れてもらえる体験が非常に増えた。携帯(電話)の家族割引や自動車保険も配偶者として認められるようになった」と話しています。
 
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 岡山県早島町は1日、「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を導入しました。
 宣誓書受領証カードを交付されると町営住宅への家族としての入居が可能になるほか、住民票の続柄を「縁故者」と記載できるようになります。
 町民課は「誰もが安心して自分らしく生きられるよう町として応援したい」「多様性への理解が広まるきっかけにもなれば」としています。
 県内の導入済み自治体は早島町を含め、倉敷、総社、笠岡、浅口、井原市など12市町で、ファミリーシップ制度も7市町に広がりを見せています。住む自治体が変わるたびに同様の手続きをする負担を減らすため、町は今後、相互利用も進める方針です。
 
 また、岡山県赤磐市の友実武則市長は11月30日、「パートナーシップ宣誓制度」の導入を検討する方針を示しました。
 市長は市議会で「性の多様性への理解を広め、誰もが自分らしく生きる社会となることが必要と考えている」と述べ、今後、導入時期とともに宣誓した二人の関係を証明することで受けられる行政サービスを検討するとしました。

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 山梨県甲斐市が「パートナーシップ宣誓制度」を開始しました。
 9月に実施した市民アンケートの結果、79.3%の方から制度を市が導入することに賛成を得たことから、12月1日に山梨県と連携協定を締結し、「山梨県パートナーシップ宣誓制度」に基づいて、市のサービスを提供することにしたものです。

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 石川県かほく市で10日、「パートナーシップ宣誓制度」が始まりました。同市在住のろう者の男性二人が11日に宣誓して第1号になりました。
 お二人は今年2月から同市で一緒に生活をしています。市役所で市職員から宣誓書受領証と証明カードを受け取ると「こういう制度があったらいいなと思っていた。公的に認められてすごく安心している。もっと幸せになっていけたら」と喜びを語りました。
 市地域政策部の千田聡部長は「二人ともとてもうれしそうで、制度を導入してよかった」と語りました。
 石川県での制度導入は金沢市や白山市などに次いで5例目です。

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 新潟県議会で12月8日、花角知事が来年度の「パートナーシップ制度」導入に向けて検討する考えを表明しました。
 県は今年、県民を対象に性の多様性に関する意識調査を実施しましたが、66%の県民が「制度は必要」または「やや必要」と回答しています。県議会代表質問で、制度導入への対応を問われた花角知事は、「県としては、すでに制度を導入している他県等と同様に、性に関する多様性を多くの人が認識し、理解を深めるなど社会全体で多様性を尊重する環境をつくることが重要と考えており、来年度の制度導入に向けて検討したいと考えている」と述べ、、来年度の制度導入に意欲を示しました。
 県内ではすでに、新潟市・長岡市・三条市が制度を導入していますが、花角知事は「性的マイノリティの方々から、市町村単位で対応が異なるより、県で導入してほしい」という声があるとして、県が制度を導入する意義を強調しました。

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 神奈川県の全33市町村で制度が導入されたことを受け、『タウンニュース』紙が市町村アンケートを実施し、制度の利用カップル総数は、返還者を含め747組(9月30日時点)で、半数近くの自治体が他市町村との制度の相互連携に課題があるとの認識を示していることなどがわかりました。
 制度の適用範囲(複数回答)を尋ねたところ「公営住宅への入居で同居親族要件を満たす」は全33自治体、「要介護認定について家族による代理手続きと同様に申請を認める」は19自治体が適用していると回答。一方、公営病院での家族と同等の対応(手術の同意など)は、市立病院のある10自治体のうち6自治体にとどまったそうです。導入している自治体でも「パートナーがキーパーソンだと認められれば対応する場合がある」(川崎市)、「状況に応じて対応」(厚木市)と対応が分かれています。小田原市は公営病院の立ち会いについて「制度利用の有無は問わない」としています。
 このように、証明制度が導入されたからといって、必ずしも公立病院で家族と同等の扱いが受けられるわけではないという実態が明らかになりました(証明制度の限界が浮き彫りになりました)。制度利用者数なども含め、とても意義のある調査だったと言えるのではないでしょうか。
 
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 東京都千代田区が、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例等の一部を改正する条例を可決し、婚姻を要件とする休暇、給与等制度の適用を受ける対象者として、東京都パートナーシップ宣誓制度及び同制度と同等と認める制度を利用する者を加えるもことになりました。

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 群馬県草津市が「パートナーシップ宣誓制度」の導入を検討し、要綱案についてパブリックコメント(意見募集)を始めました。1月4日まで受け付けています。



参考記事:
安心して暮らしたい 兵庫県のカップル 諫早市議会に「パートナシップ宣誓制度」制定求め請願(長崎国際テレビ)
https://nordot.app/1105837655486792405?c=428427385053398113
「パートナーシップ宣誓制度」導入を 男性2人が長崎・諫早市議会に請願提出(西日本新聞)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1155372/

早島町がパートナー制度導入 性的少数者カップル対象(山陽新聞)
https://www.sanyonews.jp/article/1484331

赤磐市 パートナー制度導入検討 LGBTQカップル 結婚相当認定(山陽新聞)
https://www.sanyonews.jp/article/1483933

パートナーシップ宣誓制度を導入します(甲斐市)
https://www.city.kai.yamanashi.jp/soshikinogoannai/shiminkatsudoshienka/shiminkatsudoshiengakari/1_1/partnership.html

パートナーシップ宣誓 かほく市で制度始まる(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/820826?rct=k_ishikawa

『パートナーシップ制度』花角新潟県知事「社会全体の多様性を認める環境をつくることが重要」来年度にも導入する方針示す(新潟放送)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/882886?display=1
“パートナーシップ制度” 新潟県が来年度導入に意欲「社会全体で多様性尊重する環境を」(NST新潟総合テレビ)
https://www.nsttv.com/news/news.php?day=20231208-00000020-NST-1

パートナーシップ制度 県内747組が利用(タウンニュース)
https://www.townnews.co.jp/0608/2023/12/09/710522.html
 
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例等の一部を改正する条例【可決】(千代田区)
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kuse/koho/pressrelease/r5/r512/20231212.html

「草津市パートナーシップ宣誓制度」に関する要綱(案)にかかるパブリックコメント募集(草津市)
https://www.city.kusatsu.shiga.jp/shisei/publiccomment/bosyu/partnaership20231201.html

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