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エムポックスで埼玉県の30代男性が死亡、国内での死者の確認は初めてです

2023年12月12日

 厚生労働省は13日、エムポックス(サル痘)に感染した埼玉県に住む30代の男性が死亡したと発表しました。国内の死者確認は初めてです。
 

 厚労省や埼玉県によると、この男性は9月、埼玉県内の病院でエムポックスと診断され、11月に亡くなりました。免疫不全状態だったそうです。
 エムポックスは発熱や頭痛、リンパ節の腫れといった症状が生じた後に、顔や手、陰部や肛門などに発疹ができて水ぶくれ状になり(ひどく痛み)、多くは2~4週間で自然に回復します。しかし、子どもや妊婦、免疫不全の方などは重症化することがあります。
 
 今年4月のサル痘(MPOX)についての情報をまとめた「MPOX GUIDE BOOK」が発表というニュースでもお伝えしていたように、HIV感染したことを知らずにいたり、エイズを発症したりして免疫力が著しく下がっている方は、重症化の危険があり、なかには命を落とす方もいるということが昨年の欧米での流行で明らかになっています。glad xxでは、HIV、梅毒、コロナ、サル痘…いま、僕らが検査を受けるべき理由や、2023年6月のHIV検査キャンペーンなどの記事で、HIV感染を知らずに発症し、免疫力が下がっているところにエムポックス感染が起こってしまうと危険で、命にも関わるため、長い間HIV検査を受けていない方はぜひ検査を受けましょうと呼びかけていました。
 しかし今回、恐れていたことがついに現実になってしまいました…本当に残念です。謹んでご冥福をお祈りします。
 
 厚労省によると、今月3日時点で累計227人の患者が報告されているそうです。厚労省の「エムポックスの発生状況」の発表は今年6月分で終了しており、流行は落ち着きを見せたのかと思われていましたが、まだ完全に流行が終わったわけではありませんでした。今後も、長い間検査を受けずにいて自身がHIV感染していることに気づかず、免疫力が下がっている状態でエムポックスに感染してしまうケースが全くないとは言えません。
 こちらのコラムでもお伝えしているように、今月は世界エイズデー関連で、各地で臨時検査会が行われています。この機会にぜひ、HIV検査を受けましょう。(首都圏にお住まいの方で東京都東口検査・相談室で受けようと思う方も多いと思いますが、今月はもう予約がいっぱいになっています。比較的空いている多摩地域検査・相談室で受けられてはいかがでしょうか)


参考記事:
「エムポックス」感染 埼玉の30代男性死亡 国内で死亡は初(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20231213/1000100062.html
感染症「エムポックス」で国内初の死者  海外渡航歴なしの埼玉県の男性(30代)が死亡(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/892085
エムポックス感染、国内初の死者 海外渡航歴ない30代男性(共同通信)
https://nordot.app/1107598635893096852?c=302675738515047521
エムポックス患者が死亡 国内初 埼玉県の30代男性(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASRDF672SRDFUTFL01B.html

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