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『きのう何食べた? season2』が2023年秋ドラマ満足度No.1に輝きました

2024年01月12日

 国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」内のデータに基づいた「2023年 秋の国内ドラマ満足度ランキングTOP10」が発表され、『きのう何食べた? season2』(テレビ東京系)が1位に輝きました。

 
 昨年10月から12月にかけて放送された(最終話がクリスマスシーズンだった)『きのう何食べた? season2』。毎月の食費を二人で25000円以内に収めるという離れ業をずっと続けてきたシロさんですが、物価も上がってるし、なじみのお安いスーパーが突然閉店してしまうしで、ショックを受け…、一方のケンジは歳をとって体重も増えるし健康診断でコレステロール値が基準値超えしてしまい…という出だしから、ケンジに対しては友達のような接し方でそんなに愛情表現はしてこなかったシロさんがおそらく初めて二人のパートナーシップに対する思いを熱く表現した第5話、お正月に実家に帰ると「結婚しないの?」攻撃にあうから憂鬱よね、という「ゲイあるある」が描かれるとともに、もしかしたら日本のメジャーなTVドラマでは初かもしれない「東京都パートナーシップ宣誓制度」にも(意外な切り口から)触れられていたり、職場では誰にも言ってないシロさんが一歩を踏み出したりした第6話、そしてケンジの実のお母さんとお姉さんたちを交えた食事会が催され、その会食の理由が「もしケンジが先に亡くなったときにちゃんと家族としてお葬式に出られるように」という気遣いだったと明かされ、涙腺が崩壊させられた第10話、遺産のことなど本格的に老いじたくを進めようとするシロさんが、ケンジに「俺の人生で、俺の遺産を譲ろうなんて思う相手はお前ぐらいだよ」と照れくさそうに語って感涙させられた最終話など「神回」が続出しました。
 世間的にも、多くのファンが待ち望んでいたと見えて、第1話の見逃し配信再生数(配信開始後7日間)がテレ東歴代1位を記録したそうです。5点満点評価で4.34のスコアを記録し、見事に1位に輝きました。

 2位に輝いたのは『大奥 Season2』で、『きのう何食べた? season2』と同じよしながふみさん原作のドラマでした。同じシーズンに同じ作者を原作とするドラマが放送されること自体が非常に稀なことですが、こうして1位と2位を占めたというのが本当にスゴいです。男女逆転版の「大奥」Season2では、吉宗の遺志を継いで若き医師たちが赤面疱瘡撲滅に向けて立ち上がった後から、女将軍をはじめとした幕府の人々が江戸城無血開城のために奔走した幕末・大政奉還までの物語が描かれました。家茂(女性)が朝廷とのつながりを深め幕府の権威を立て直す公武合体政策として京都から嫁いできた和宮が実は偽物で、男装した女性であることがわかり、瀧山は憤慨、しかし家茂は事実を受け入れ、和宮とシスターフッドとも言うべき愛情を育んでいく様は、クィア的であり、また、本当に温かくて感動的なエピソードでした。
 
 ちなみに7位の『君となら恋をしてみても』や10位の『君には届かない。』はBLドラマでした。10位以内に3本、男性どうしの恋愛やパートナーシップを描いた作品(雑かもしれませんが、とりあえず「ゲイドラマ」と称したいと思います)がランクインしたことになります。
 このようなBLを含むゲイドラマが同じクールに何本も放送され、人気を博すことが、現実社会のゲイの生きやすさにつながるかというのは意見が分かれるところだとは思いますが、世間には男たちの愛を描いたドラマを熱く支持する方たちが本当に多いということ、そのようなゲイドラマ人気が今クールの『おっさんずラブ-リターンズ-』『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』の同時放送へとつながっているのは確かでしょう。
 
 ともあれ、何食べS2の1位受賞、本当にうれしいですね。シロさん、ケンジ、おめでとう!と言いたい気持ちです。

 

参考記事:
2023年秋ドラマ満足度No.1は?ランキング発表(シネマトゥデイ)
https://www.cinematoday.jp/news/N0140871

【2023年】秋の国内ドラマ満足度ランキングTOP10!No.1は『きのう何食べた? season2』(FILMAGA)
https://filmaga.filmarks.com/articles/287645/


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