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aktaの岩橋さんが今年の日本エイズ学会学術集会・総会の会長に就任しました

2024年01月23日

 aktaの岩橋恒太さんが今年11月28日〜30日に新宿の京王プラザホテルで開催される「日本エイズ学会学術集会・総会」の大会長に就任しました。歴代最年少ですし、aktaという二丁目コミュニティをベースに活動してきた団体の方が大会長を務めることも素晴らしいです。
 
 
 「日本エイズ学会学術集会・総会」(以下「エイズ学会」)は、医療関係の方や公衆衛生の研究者、予防啓発や陽性者支援に携わっているNPOなどの方々が主に参加する、HIV/AIDSの諸問題の研究の促進、会員相互の交流および知識の普及と啓発を図る目的で毎年、いろんな都市で持ち回りで開催されている学会です。
 大会長は、日本のHIV/AIDS対策において重要な役割を担う臨床・基礎・社会の3つの領域のいずれかで活躍している方が選ばれるのですが、今回は7年ぶりに(7年前はぷれいす東京の生島さんでした)「社会」領域として、NPO法人aktaの代表である岩橋恒太さんが大会長を務めることになりました。歴代の最年少の大会長です。
 
 以下、公式サイトに掲載された岩橋さんの挨拶文です。

 世界的にも、日本でも2030年までに公衆衛生上の危機としてのAIDSの終結が叫ばれています。私たちはその実現に向け、「AIDS関連の差別・偏見ゼロ」「AIDS発症者をゼロ」「HIV新規感染者をゼロ」という3つのゼロの目標に基づいた対策を進めています。そして、近年ではU=U、多様な検査機会、PrEPなど、様々な複合予防のツールが日本でも揃いつつあります。
 これらのツールを効果的に活用し、必要な人々に適切なコミュニケーションやサービスを提供するためには、コミュニティのニーズを最もよく知るメンバーが活躍するかたちの、UNAIDSも提唱している「コミュニティ主導アプローチ」が必要です。そしてこのアプローチが成功するためには、障壁を取り除き、コミュニティをエンパワメントしていくことが不可欠です。
 また現在は「感染症の時代」と言われ、Covid-19やMpoxなどさまざまな感染症が広がっています。また、HIV/AIDSに見られる差別や偏見も依然として社会の中に存在しています。そうした状況において、HIV/AIDS対策から生み出された「Living Together」の思想は、感染症による人々の分断を終結させ、他の感染症対策にも適用できる重要なものであると考えます。何よりも、AIDSの流行終結はHIV陽性者が身体的・精神的・社会的に健康で豊かな生活を送ることができる社会の実現に資するものであるべきです。
 2020年のCovid-19の世界的な流行以降、日本エイズ学会の会長は学術集会の開催方法について大変苦心してきました。各分野の学会員が集い、直接の対話を行なうことが重要だと考えます。そのため、今回の学会ではできるだけ対面形式を多く取り入れ、シンポジウムや一般演題を通じてキーポピュレーションの(HIV/AIDSの流行に大きな影響を受けている)人々をはじめ、多くの方々に参加いただきたいと考えています。登壇者をエンパワメントするための仕掛けづくりも準備しております。
 さらに、若手を学術集会の会長に選んでいただいたことに応え、本学術集会を日本エイズ学会のコミュニティを若手につなぎ、一層の活性化の契機としたいと思っています。各分野からの若手の学会員の積極的な参加と活躍を期待しています。
公式サイトより)
 
 素晴らしい挨拶文ですね。
 公式サイトやフライヤーに用いられているビジュアルも素晴らしいです。多様な人々の姿が描かれていて、その中にはレインボーフラッグ(プログレス・プライド・フラッグ)を掲げている人もいるし、ゲイカップルもいるし、「Trans rights are human rights」と書かれたTシャツを着た人の姿もあります。街の看板には「Love」や「Living Together」の文字も見えます。
 

 学会の期間中には、一般市民も参加できるコミュニティ向けプログラムも開催されるのが通例となっており(昨年の京都では、こちらこちらのようなイベントが開催されました)、2017年、中野区が共催した(生島さんが大会長を務めた)ときは、中野区役所に大きなレッドリボンが掲げられ、なかのZEROホールや中野区産業振興センターを使って「TOKYO AIDS WEEKS」として4日間にわたって映画上映や写真展、トークイベントなどが多数開催され、まるでゲイコミュニティのイベントのようでした。
 今年もそんなふうに「TOKYO AIDS WEEKS」が新宿や二丁目で展開され、ゲイコミュニティのお祭りのように盛り上がるのではないかと予想されます。また、岩橋さんが述べているように、学会自体にもゲイコミュニティの方たちが登壇したり、若い方たちを意識したものになりそうです。
 「一般演題」も募集しているそうですので(募集期間は5月15日〜6月27日)、もし何か学会で発表したい演題がある方は、ぜひご応募ください。(現在準備中ですが)こちらのページに詳細や応募方法などが掲載されると思われます。

第38回日本エイズ学会学術集会・総会
テーマ:HIVに関わるすべてのコミュニティをエンパワー、感染症による人々の分断を終結
会期:2024年11月28日(木)~30日(土)
会場:京王プラザホテル(新宿)
 

※なお、aktaやdistaなどのコミュニティセンターを立ち上げ、日本のゲイコミュニティ向けのHIV予防啓発活動に大きな貢献を果たした市川誠一先生がひさしぶりにaktaに来られ、岩橋さんと一緒にお話しする「実例で学ぶ コミュニティ立ち上げ、研究、アドボカシー -ゲイコミュニティと抗HIV薬の予防適用政策を例に-」と題したセミナーが27日にaktaで開催されます。オンラインでも受講できます。関心のある方はぜひご参加ください(詳細はこちら


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