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毎日新聞、婚姻平等の実現は「日本が真に人権を守る国になれるかどうかの試金石」

2024年01月29日

 毎日新聞は28日、「LGBTQなど性的少数者の尊厳がないがしろにされる社会は、変えていかなければならない」「日本が真に人権を守る国になれるかどうかの試金石である」として同性婚法制化を力強く訴える社説を掲載しました。
 昨年、同性婚やトランスジェンダーの権利に関する日本の現状を問題視する司法判断が相次いで示された「にもかかわらず、政府や国会の動きは鈍い」と指摘し、「当事者たちの生きづらさを直視し、法整備を急ぐ必要がある」として、都内に住む女性カップルのことを紹介し、世界情勢にも触れ、追手門学院大の三成美保教授の「マイノリティへの特別な配慮ではなく、全ての人の人権保障に関わる問題という認識を共有し、法律や政策を考えていく必要がある」とのコメントも伝えながら、「性的少数者が、自分らしく生きられる社会を実現しなければならない。日本が真に人権を守る国になれるかどうかの試金石である」と結ぶものでした。

 東京新聞でも今年初め、都内に住むゲイカップルやレズビアンカップルをフィーチャーし、「(パートナーシップ宣誓はしてても)法的な保障はない。同性婚が可能なら、すぐに結婚したい」といった声を紹介しながら、昨年の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の結果や世界情勢も伝えながら「LGBT当事者の不利益がこれ以上見過ごされてはなりません。国は同性婚の法制化へ踏み出すべきです」「信頼できる伴侶と、社会に認められて暮らす。そんな当たり前のことを否定されることがLGBT当事者には深刻なのです。子どものころから自己を肯定できなかったり、精神的苦痛を抱えたりする原因がそこにあります。その人の人生全体への脅威であり、人間の尊厳を否定する問題です。人権がないがしろにされていると言わざるを得ません」と訴える社説が掲載されています。「日本ではいまだに冷たい雨が降り続いていると、LGBT当事者は感じていることでしょう。一刻も早く降りやませ、空に美しい虹をかけたいのです」

 ほかにも、信濃毎日新聞が「憲法事件を歩く」という連載で憲法14条をめぐる「結婚の自由をすべての人に」訴訟の札幌地裁判決をフィーチャーし、北海道訴訟の原告の方やカミングアウトした加藤弁護士のことを紹介しています。
 
 日経新聞では、アジア12ヵ国で日本が最も同性婚への賛成率が高かった(68%)という記事が掲載。Forbesによると、68%という賛成率は、欧米を含めた世界全体のランキングでも10位に入ります。同性婚がすでに認められている米国などよりも高いのです。
 
 こちらの記事でもお伝えしたように、今月末で同性パートナーシップ証明制度導入自治体が少なくとも386に上り、導入自治体の人口の合計は一億人を超え、もうすぐ人口カバー率は8割に達します。
 これを受けてハフポスト日本版は、「(同性パートナーシップ証明制度ができても)性的マイノリティの権利を保障する法的拘束力はないため、結婚の平等(いわゆる同性婚)の早急な実現が求められている」と指摘し、「Marriage For All Japan ー結婚の自由をすべての人に」の「自治体はできることをやってる。けど、婚姻は国にしかできない。婚姻の平等(同性婚法制化)を早く実現してください」との声を紹介しています。

 このように今月、多くの新聞やWebメディアが、婚姻平等の実現を訴えたり、同性婚法制化を支持する論調の記事を掲載しています。10年くらい前までは(どこか“かわいそうな”というニュアンスも感じられるような)性的マイノリティを理解しましょう的な記事が多かったと思いますが、現在は、法的に婚姻が認められるかどうかは公正や平等の問題にほかならない、これは「日本が真に人権を守る国になれるかどうかの試金石」だとまで言われるようになりました。社会はこんなにも変わったのです。あとは国が変わる番です。
 

 今年2月14日のバレンタインデーは、「結婚の自由をすべての人に」訴訟一斉提訴から5周年の節目です。
 この日は、大阪で「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟控訴審の第5回の弁論が行なわれるほか、結婚の自由をすべての人に訴訟提訴5周年記念&岩波書店『同性婚法制化のためのQ&A』出版記念シンポジウムが開催されるそうです。
 ホワイトデーにあたる3月14日には、「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟の控訴審の判決、そして東京二次訴訟の判決が言い渡されます。
 東京一次訴訟、愛知、九州でも控訴審が進んでいます(4月までのスケジュールはこちら
 ぜひ「Marriage For All Japan ー結婚の自由をすべての人に」公式Xアカウントをフォローし、最新の情報を得たり、できる範囲で応援したりしましょう。 

 
 

参考記事:
パートナーシップ制度、カバー人口が1億人に。LGBTQ当事者らの結婚の平等実現は「国にしかできないこと」(毎日新聞)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_65b59e9ae4b014b873b15d4d

<社説>年のはじめに考える 雨上がりの空に「虹」を(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/301520

憲法事件を歩く 第7部「14条」⑩ 女性同士、戻ってきた婚姻届 同性婚訴訟(上)(信濃毎日新聞)
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024012100029
憲法事件を歩く 第7部「14条」⑪ 「私も同性愛者」弁護士が法廷で表明 同性婚訴訟(中)(信濃毎日新聞)
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024012800057

同性婚、インドネシアは賛成率5% 宗教観で温度差(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM22A9S0S4A120C2000000/
同性婚に寛大な国は? 日本がトップ10入り(Forbes Japan)
https://forbesjapan.com/articles/detail/68333

パートナーシップ制度、カバー人口が1億人に。LGBTQ当事者らの結婚の平等実現は「国にしかできないこと」(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_65b59e9ae4b014b873b15d4d

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