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2000年2月11日に起きた新木場殺人事件についてのWebサイトが復活しました

2024年02月11日

 2月11日、24年前に起きた新木場殺人事件についてまとめたサイトが(何年もの間、見れなくなっていたのですが)復活しました。

 2000年2月11日未明、新木場公園で1人の男性の遺体が発見されました。顔面は丸太で陥没するまで殴打され、胴体は内臓破裂していたそうです。その後、被害者が大田区在住の33歳のSさんという方であることがわかり、容疑者として江東区の中学3年、高校1年の少年と、25歳の中野大輔が逮捕されました。取り調べで彼らが「ホモ狩り」と呼ぶ行為を日常的にしていたこと、「金を巻き上げても相手はホモなので警察に被害届も出さないのでやりやすかった」「相手がホモなのでムカついていた」などと供述したことから、これがゲイを狙ったヘイトクライムであることが明らかになりました(事件の概要はこちらに記されています)。それ以前にも駒沢公園や芦花公園などで殺人事件があり、コミュニティ内ではゲイバッシングだったのではないかと言われていましたが、この新木場事件で初めてゲイを狙った暴行(ヘイトクライム)であることが世に知られるところとなりました。
 
 当時、「Parks heaven シンジのハッテン情報」というサイトを運営していたシンジさんは、殺されたSさんを偲び、追悼し、また、このような事件が繰り返されないようにとの願いで「Unforfettable 2000/2/11 新木場 夢の島ゲイバッシング殺人事件」というサイトを作り、この事件の顛末や新聞での取り上げられ方、裁判の傍聴記録、また、追悼イベントのレポートなどを掲載していきました。同時に、Sさんと同じように新木場で暴行にあった方たちの手記なども集めており、2000年2月以前にもたくさんの方が被害に遭っていたことがわかりました。

 このサイトにも記されているように、主犯格の中野大輔は証拠隠滅のために軍手をコンビニで万引きして犯行に及んでおり、計画的な犯行だったことがわかっています。しかし、2000年11月に裁判所で下された判決は懲役12年で、シンジさんは「人を殺しておいて懲役12年とは軽すぎる」と思ったそうです。裁判官は「本人は反省している」として求刑の15年から12年に減刑したそうですが、シンジさんはそれまで3回の裁判を傍聴してきた限りでは反省しているようには思えなかったと語っています。「懲役12年では亡くなられたSさんや遺族の方がかわいそうである。裁判官から12年の判決が言い渡された瞬間、お母さんのすすり泣きが聞こえ、自分も涙がでてしまった」
 
 事件から1年後の2001年2月には、アカーが新木場ホールで追悼イベントを開催しており、殺害現場の木のところで献花も行なわれました(Sさんのお母さんが献花のところに「お友達の皆様へ いつもきれいな花束やお飲物を供えていただきありがとうございます。故人にかわってお礼申し上げます。」というメッセージを置いていたそうで…涙を禁じえません)  
 Sさんの命日の追悼イベントは何年か続けられていましたが(春日亮ニさんが追悼ライブを行なったり)、そのうち行なわれなくなり、この事件や追悼イベントのレポートを記したWebサイトも一つ、また一つと見れなくなっていきました。
 
 今回、シンジさんが、当時のサイトを復活してくださったことは、日本で起きたヘイトクライム(ゲイバッシングによる殺人事件)のことを風化させないという意味で、とても大切な、重要な意義のあることだと言えます。
 読むのがつらい部分もあるかもしれませんが…これを機に、ぜひ読んで、事件のことを知っていただければ幸いです。

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