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米国に住む13~55歳のゲーマーのうち17%が性的マイノリティであると自認する人たちでした

2024年02月16日

 米国のLGBTQ団体GLAADは2月13日、米国のゲーム業界におけるLGBTQのインクルージョン(包摂)の状況をまとめた初の報告書を発表しました。性的マイノリティであるとのアイデンティティを持つ米国のゲーマーの割合は過去最高に増加した一方、ゲームのキャラクターやストーリーにおけるLGBTQの登場頻度は依然として非常に低いとされています。

 
 GLAADが調査会社ニールセンのゲーム部門と共同で実施した調査によると、米国に住む13~55歳のゲーマーの17%が性的マイノリティであると自認しています。2020年にニールセンが公表した10%という調査結果に比べて大幅に増加しており、また、米国の成人におけるLGBTQの割合7.1%(調査会社ギャラップによる2022年の調査結果)よりもはるかに高い数字を示しています。
 現在35歳未満の人に限れば、ゲーマーのうち実に23~28%がLGBTQだそうです。(なお、ギャラップの調査によると、米国のZ世代のほぼ5人に1人がLGBTQです)
 一方、LGBTQのキャラクターやストーリーを含むゲームの割合はXbox、PlayStation、任天堂の全デジタルソフトのうちたったの2%に過ぎず、大多数のゲームでインクルージョンが不足していると指摘されています。
 GLAADによると、LGBTQのタグがつけられたゲームの数が最も少なかったのはニンテンドーeショップで、50本だけでした。次いでPlayStationが90本、マイクロソフトが146本、PCゲームプラットフォーム「Steam(スチーム)」が2302本(ただし「成人向け性的コンテンツ」を含むゲームを除くと1506本)でした。

 GLAADの調査によると、大手配給会社10社の映画のLGBTQのキャラクター登場率は28.5%、2022~23年のシーズンに放送されたゴールデンタイムのテレビ番組(脚本のある番組)でLGBTQのレギュラーキャラクターが登場した割合は10.6%だそうで、米国における他のエンターテインメント分野と比べるとゲーム業界のインクルージョンが不足していることがわかります。

 GLAADは、LGBTQのゲーマーは自分と同じSOGIのキャラクターが登場するゲームを購入・プレイする可能性が1.4倍高いことや、全ゲーマーの29%がゲームのストーリーでのLGBTQ要素の増加を希望していること、LGBTQゲーマーの70%(非LGBTQゲーマーの46%)がゲイやトランスジェンダーに関する有害な表現やステレオタイプが含まれているゲームを購入する可能性が低いというデータを挙げ、LGBTQゲーマーに向けた作品づくりは企業にとってメリットになるはずだと述べています。
「ゲーム会社はこれまで、ゲームユーザーの大半はLGBTQのキャラクターを中心に据えたゲームに興味を示さないか、あからさまに拒否するだろうと考え、そうしたゲームをこれ以上作らないようにしてきました。しかし、私たちの調査では、LGBTQの中心的なキャラクターが登場するゲームがあっても、LGBTQ以外のゲーマーの大多数にとっては何の違いも生まないことがわかりました」 



参考記事:
米ゲーマーのLGBTQ率、過去最高の17% ゲーム内のインクルージョンは依然不足(Forbes JAPAN)
https://forbesjapan.com/articles/detail/69154


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