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日本アカデミー賞で映画『怪物』の2人の男の子が新人俳優賞を受賞、『エゴイスト』の鈴木亮平さんは優秀主演男優賞を受賞

2024年03月08日

 第47回日本アカデミー賞の授賞式が8日、グランドプリンスホテル新高輪で行われ、映画『怪物』の安藤サクラさんが最優秀主演女優賞を受賞し、主役の黒川想矢さん、柊木陽太さんが揃って新人俳優賞を受賞しました。『エゴイスト』の鈴木亮平さんは、優秀主演男優賞の受賞にとどまりました。


 カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム(最優秀LGBTQ映画賞)を受賞した映画『怪物』。国内では昨年6月に公開されました。韓国でもヒットしているそうです(公開からわずか66日で観客動員数が50万人を超えたんだそう)
 小学生の男の子・湊(みなと)と依里(より)くんの同性愛的な関係を鮮烈に描き、美しくも多義的な(解釈の分かれる)ラストシーンでも話題を呼びました。湊役の黒川想矢さんは、複雑に揺れる思春期の男の子の感情を見事に演じていましたし、依里役の柊木陽太さんは「怪演」とも言うべき演技でした。二人は揃って新人俳優賞を受賞しました。黒川想矢さんは受賞スピーチで「僕は今、二つの自分と戦っています」と切り出し、「監督をはじめたくさんの方々のサポートや運でしかないと思う自分と、まるで自分の力でやり遂げたと勘違いしてしまう自分です」と語り、「心震えた」などSNSで反響を呼んでいます。
 一方、息子・湊の異変に頭を悩ませるシングルマザーを演じた安藤サクラさんは、最優秀主演女優賞を受賞しました(別の映画で最優秀助演女優賞も受賞しています)。安藤さんは受賞スピーチで「今回は二人の主役の男の子たちとどう演じていくのかっていうことをとにかく考えてやっていました。だから、二人が演じるお芝居の、二人の力で出たものは本当にたくさんあって、もちろん二人のみならず、チーム、俳優部だけに限らずみなさんと本当に一緒に作っているという感覚がとても心地よい現場でした」と語りました。
 なお、この映画の脚本を手掛けた坂元裕二さんは、第75回読売文学賞の「戯曲・シナリオ」部門を受賞しています。映画脚本としては8年ぶりの快挙だそうです(詳細はこちら
 
 一方、TAMA映画賞日刊スポーツ映画大賞毎日映画コンクールおおさかシネマフェスティバルなどで最優秀主演男優賞を受賞し、日本アカデミー賞でも本命視されていた『エゴイスト』の鈴木亮平さんは、優秀主演男優賞を受賞したものの、最優秀主演男優賞は役所広司さんに譲る結果となりました。
 しかし、つい先日、鈴木亮平さんはアジア全域版アカデミー賞とも言える「第17回アジア・フィルム・アワード」で「Excellence in Asian Cinema Award」に輝いています。優れた才能を持つ映画人にスポットを当て、アジア映画界およびアジア文化における業績と貢献をたたえる賞です。日本人としては中谷美紀さん、役所広司さん、阿部寛さんに続く4人目の受賞で、たいへん栄誉ある受賞と言えます。
 
 
参考記事:
「怪物」黒川想矢「2つの自分と戦っています」新人俳優賞スピーチに感動集まる「心震えた」<第47回 日本アカデミー賞>(モデルプレス)
https://mdpr.jp/cinema/detail/4221434
安藤サクラ、3度目の最優秀主演女優賞!最優秀助演女優賞とW受賞の快挙:第47回日本アカデミー賞(シネマトゥデイ)
https://www.cinematoday.jp/news/N0141780

鈴木亮平、アジア映画界からも表彰「さらなる高みを目指す」 香港での授賞式出席へ(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240305/orc/00m/200/011000c
鈴木亮平、アジア・フィルム・アワードでExcellence in Asian Cinema Awardに輝く(映画ナタリー)
https://natalie.mu/eiga/news/563549

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