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特集:2024年春のクィア・アート展

2024年3月〜4月に開催されるLGBTQ(クィア)関連のアート展の情報をまとめてご紹介します。moriuoさんの個展、能村さんの個展などです。aktaでの展示や長谷川サダヲ展なども開催中です

特集:2024年春のクィア・アート展

(「『IN MY LIFE』MORIUO exhibition 鎌倉」より)
 

まだまだ寒い日が続きますが、春はもうすぐそこまで来ています。お花見を楽しみにしている方、どこかへお出かけする予定を立てている方も多いのではないでしょうか? もしお時間があれば、アート展にも足を運んでみてはいかがでしょう?ということで、3月〜4月(一部5月)のLGBTQ(クィア)関連のアート展の情報をまとめてご紹介します。moriuoさんの個展が鎌倉で開催されたり、とてもひさしぶりな能村(a.k.a. Taka Nomura)さんの個展が開催されたり。aktaでの展示や長谷川サダヲ展などもまだ開催中です。
(新たな情報が入り次第、順次追加していきます)
(最終更新日 2024.4.30)



〜3月31日 東京(二丁目)
GO 20’ Next!〜aktaのこれまで、これから展

 二丁目のコミュニティセンターaktaで開催されている展覧会が素晴らしいです。立体作品で触って動かすこともできたり、コメントを書いて参加することもできたりします。ぜひaktaの20年のお祝いにご参加ください(レポートはこちら
【追記】
TRPのaktaのブースでも展示されるそうです!

GO 20’ Next!〜aktaのこれまで、これから展
会期:1月27日〜3月31日
会場:コミュニティセンターakta
開館時間:木~日曜 15-21時



3月29日〜4月7日 東京
シルエットファミリー展

 足立区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度開始から3周年を迎えることに合わせ、区役所でパネル展が開催されます。性的マイノリティの出産・子育てを支援し、当事者どうしの交流する機会とネットワーク形成を行う活動を行なってきた一般社団法人こどまっぷが、アーティストの澄毅さんとコラボし、日本で出産・子育てを行なっている性的マイノリティを可視化させ、その様子を社会に広く伝えようと企画した写真展です。ファミリーの中には顔出しが難しい方もいるため、顔が見えない形で「シルエットファミリー展」となっています。今年1月には大阪公立大学大学院都市経営研究科との共催で「EJ 芸術祭」の中で展示されました。

シルエットファミリー展
会期:3月29日(金)〜4月7日(日) 
会場:足立区役所本庁舎1階区民ロビー(アトリウム)



4月5日〜5月6日 鎌倉
「IN MY LIFE」MORIUO exhibition 鎌倉

 MORIUOさんが4月から鎌倉のカフェでイラスト展を開催。テーマは人生の記憶、思い出、生まれ育った、今暮らしてる街、場所。海のある街で暮らす景色を描いた新作とこの展示のために書き直した過去の海街作品を展示するそうです。
「生きてる今、1秒後には過去になる蓄積されてく思い出
そして思い出を抱いて今日を生きて
叶えたい未来を」

「IN MY LIFE」MORIUO exhibition 鎌倉
会期:2024年4月5日〜5月6日
会場:cafe &bar JENTECO LABO(神奈川県鎌倉市御成町5-41)
営業時間:14:00-21:30(L.O.21:00)
※木曜休み
※飲食店のため、ワンオーダー制となっております
(なお、このイラストの二人が着ているオーバーオールはJENTECO LABOさんのオリジナルで、お店でオーダーできるそうです)



4月7日〜4月28日 東京(新宿)
“Jonathan. Boys and Love“展

 昔『バディ』誌の表紙のイラストを手がけていたJonathanさんが、aktaで何度目かの作品展を開催します。Jonathanならではのパステルカラーが印象的な素敵な男の子たちのイラストを堪能できそうです。二丁目にお出かけの際はぜひ。
 
“Jonathan. Boys and Love“展
会期:4月7日〜4月28日
会場:コミュニティセンターakta
開館時間:木~日曜 15-21時



4月12日~17日 東京(新宿)
能村個展「禁の薔薇」

 2021年のALAMAS CAFEでの個展以来となる、能村(a.k.a. Taka Nomura)さんのひさしぶりの個展が新宿眼科画廊で開催されます。
「大切なことを隠してきました。隠すために嘘をついてきました。嘘をつくことで騙してきました。騙すのに疲れて隠れてしまいました。
それらは全て自分の身を守るという必要性に迫られての行動でした。」
 以前とはまた違う作風の、新たな能村さんの作品に出会えそうです。

能村 solo exhibition「禁の薔薇」
会期:2024年4月12日(金)~17日(水)
会場:新宿眼科画廊スペースS
開館時間:12:00-20:00(水曜 -17:00)
※木曜日休廊
入場無料



4月23日〜27日 東京(茅場町)
Art&Graphic exhibition 2024.April vol.3 創造のイノベーション 

 茅場町のギャラリー「RECTO VERSO GALLERY」で、「創造のイノベーション」と題したグループ展が開催されるのですが、そのvol.3に昨年の個展「神と生きる漢たち」も好評を博したshinji horimuraさんが出展します。

会期:2024年4月23日(火)〜27日(土)
会場:RECTO VERSO GALLERY(東京都中央区日本橋茅場町2-17-13第2イノウエビル3F.4F)
開館時間:火〜金 12:00-18:00、土 12:00-15:30
定休:日月祝
出展者:Shinji Horimura、福田裕理、カト〜チエコ、永桶麻理佳



4月27日・28日 東京(北千住)
Tokyo Male Art Fair 2024

「Tokyo Male Art Fair は2024年から新たにスタートする男性表象・メイルアートに特化したアートフェアです。進化を続ける男性表象の「いま」を体感することのできる機会、およびアーティストの発表・交流の場を創出することで、男性表象のさらなる普及・発展を目指しております。初開催となる今回は、身体性、セクシュアリティ、社会とのかかわりなど男性表象をテーマに作品制作を行ってきたアーティスト、男性表象にまつわる本を取り扱う書店・出版社など総勢10組が一同に集結いたします」(公式サイトより)
 会場は北千住の「BUoY(ブイ)」(2階は元ボウリング場、地下は元銭湯という歴史を持つ廃墟を、多種多様なバックグラウンドを持つメンバーの手で改装し、「異なる価値観と出会う」場所、若く、先鋭的で、意思を持ったアートに触れることができる場所としてオープンしたアートセンター)で、4月27日・28日に開催されます。両日とも17時からトークイベントも行なわれます。
 
Tokyo Male Art Fair 2024
日時:4月27日(土)13:00-21:00、28日(日)13:00-19:00
会場:BUoY(東京都足立区千住仲町49-11)
料金:¥1,500(税込) ※当日買い物で利用できる500円クーポン付き
出展者:小橋陽介と中野泰輔、平石萌、ショーン ウッディ モトヨシ / ジェレミー ベンケムン、菅野恒平、MARGINAL PRESS、DAWN PURPLE + loneliness books、BALL GAG、aliwen + 粘液 NEN_EKI、金井冬樹、boundary books
<トークイベント>
4月27日 「出店者トーク ―男性表象の現在とこれから―」
登壇者:出展者
トーク内容:今回の出展内容や普段の活動、今後の展望などについて出展者がそれぞれトークを行ないます。トークの聞き手はboundary booksの石井が務めます
4月28日 「それぞれのゲイアートとの出会い、そしてこれから」
登壇者:菅野恒平、金井冬樹、潟見陽(loneliness books)
特別ゲスト:秋田祥(Normal Screen)
トーク内容:様々なフィールドで活躍する4名のこれまでの活動を振り返りながら、それぞれが出会い・影響を受けたゲイアートの作品・アーティストに関するトークを行ないます




〜5月6日 →建物工事の影響で中止となりました
国立国際美術館「コレクション2 身体———身体」
 
 国立国際美術館「コレクション2 身体———身体」において、こちらで紹介した鷹野隆大さんの写真や、2022年にオオタファインアーツで行なわれたブブ・ド・ラ・マドレーヌさんの《人魚の領土ー旗と内臓》(レポートはこちら)などが展示されます。
「「身体」は、作者/モデル/鑑賞者の身体、表象される身体、ヌード、肖像画や自画像など、表現およびその行為と切り離せない主題、問題であり続けてきました。また、現代社会においては、他者との関係や権力関係の下で闘争の場となる身体、身体的境界線、身体と規範、身体と性、生と死をめぐる問題も繰り返し浮上しています。2023年度のコレクション2は「身体———身体」と題し、20、21世紀を代表する美術家であるルイーズ・ブルジョワの作品《カップル》(1996年)を国内初公開するとともに、ブブ・ド・ラ・マドレーヌのインスタレーション、石川真生の写真、鷹野隆大の写真、加藤泉の絵画など近年の新収蔵品を含む所蔵品をご紹介します」(国立国際美術館公式サイトより)
→驚くべきことに、会期を1ヵ月近く残して、突然、この展示は中止となりました。ダムタイプ《S/N》の上映会も中止です。楽しみにしていた方の落胆はいかばかりか…。本当に残念です。


コレクション2 身体———身体
会期:2月6日(火)〜5月6日(月祝)
会場:国立国際美術館 B2階展示室
出品作家(変更となる場合があります):
ルイーズ・ブルジョワ、ポール・セザンヌ、パブロ・ピカソ、マルセル・デュシャン、マン・レイ、マックス・エルンスト、ジャン・フォートリエ、ジャン・デュビュッフェ、ジャン(ハンス)・アルプ、オシップ・ザッキン、アルベルト・ジャコメッティ、アンディ・ウォーホル、ヴィレム・デ・クーニング、ジョージ・シーガル、草間彌生、ニキ・ド・サンファール、三島喜美代、リンダ・ベングリス、イケムラレイコ、シェリー・レヴィ―ン、レイチェル・ホワイトリード、キキ・スミス、塩田千春、藤田嗣治、鷹野隆大、オルラン、馬六明(マ・リューミン)、加藤泉、アドリエナ・シモトヴァー、ミリアム・カーン、石川真生、やなぎみわ、フェリックス・ゴンザレス=トレス、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、高松次郎


 この展示の関連企画として4月13日、ダムタイプ《S/N》の記録映像上映会が開催されます。貴重な機会となりますので、ぜひご参加ください!

日時:2024年4月13日(土)15:00-17:30(上映後アフタートークを実施)
会場:国立国際美術館 B1階 講堂
定員:100名(事前申込制)
参加費:無料
オペレーター:山中透(作曲家、プロデューサー、DJ)
トーク登壇:ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(「コレクション2」出品作家)、山中透
※イベント申込みはこちらから(3月13日(水)12時から)



〜5月6日 小渕沢
キース・ヘリング:NYダウンタウン・ルネサンス展

 中村キース・ヘリング美術館収蔵のキース・へリングコレクションを、彼が活動した1980年代ニューヨークを舞台に、「アンダーグラウンド・カルチャー」「ホモエロティシズムとHIV・エイズ」「社会に生きるアート」「ニューヨークから世界へ」という4つの視点でキュレーションし、彼の社会との関わりやその活動の今日的な意義をひもときます。1970年〜1980年代にヘリングが生きたニューヨークは、パンク・ロックやヒップホップファッションなど新しいカルチャーが注目され、成功を目指す人々が世界中から集まる可能性に満ちた街である一方、ドラッグや犯罪が蔓延する危険な状態でもあり、それらが危ういバランスで成り立っているスリリングな街でした。そのような社会状況の中で生まれたヘリングの作品は、命に関わる感染症との共生、児童福祉教育や人権問題をはじめとする持続可能な社会実現に向けた課題など、今日を生きる私たちにも強烈なインパクトを与えます。ヘリングが残したメッセージを、同時代を生きた写真家たちの記録写真など多くの資料が並ぶ展覧会を通して発信します。
 なお、同じ期間で「プラダを着た悪魔」や「セックス・アンド・ザ・シティ」の衣装も手がけたスタイリスト、衣装デザイナーであり、エミー賞受賞やアカデミー賞ノミネートなど華々しいキャリアを誇るパトリシア・フィールドが、半世紀の歳月をかけて蒐集したアートコレクションを紹介する「ハウス・オブ・フィールド展」も開催されています。

キース・ヘリング:NYダウンタウン・ルネサンス展
会期:2023年6月3日(土)〜2024年5月6日(月)
会場:中村キース・ヘリング美術館
開館時間:9:00-17:00(最終入館16:30)
休館日:定期休館日なし ※展示替え等のため臨時休館する場合があります
観覧料:大人1,500円、16歳以上の学生800円、障がい者手帳をお持ちの方600円、15歳以下無料



5月2〜4日 東京
moriuo個展「IN MY LIFE」

 ゲイアーティストmoriuoさんが「IN MY LIFE2021」「IN MY LIFE2023」に続き、新宿ダイアログで個展を開催します。今回は手描き原画をはじめ、Tシャツ、カレンダー、新たな作品集、グッズデザイン展開作品など様々な展示を行なうとともに、5月3日には化粧品会社とコラボし、調香体験とポップアップイベントも開催。KINARUの調香体験を無料で体験していただけるそうです。二丁目に行かれる際などにふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

moriuo個展「IN MY LIFE」
会期:5月2日(木)〜4日(祝)
会場:新宿ダイアログ(新宿区新宿3-1-32 新宿ビル1号館 3階)
開場時間:12時〜19時
無料



〜5月18日
長谷川サダオ 「春」 

 これまでに数々のレジェンダリーなゲイアーティストの展覧会を開催してきた成山画廊で、11月9日から5月18日まで半年間2期に分けて、近年多方面から注目されている画家、長谷川サダオ(1945-1999)の展覧会が開催されます。2024年2月22日〜は「春」は鉛筆を多用した作品を中心に展示するそうです。途中、展示替えもあります。
 展示に合わせて、画集「SADAO.HASEGAWA 1945-1999」も刊行。サイケデリックに誘発されて描いた初期のロマンティックな作品、アフリカなど異国への憧憬を織り交ぜた作品から、雑誌の挿絵としてのエロティックな男性像、漫画。晩年、自身の浄化を試みたかのような崇高な男性像まで網羅されています。長谷川サダオ展会場と特設サイトでご購入いただけます。スペシャルエディションとして作品証明書付きオリジナル作品が挟み込まれたバージョン4種類も若干部発売されます。
 
長谷川サダオ 「春」 
会期:2024年2月22日〜5月18日
会場:成山画廊(東京都千代田区九段南2-2−8)
開館時間:13:00-19:00
定休日:水日祝 ※4月30日、5月2日はアポイントメントオンリー


4月27日~6月23日 神戸
キース・へリング展 アートをストリートへ
 
 80年代ニューヨークのレジェンドであり、ポップカルチャーとファインアートの世界に革命をもたらしながら、1990年にエイズによって早逝したキース・ヘリング。明るく、ポップなイメージで世界中から愛され、今なおその人気は衰えを知りません。そんなキース・ヘリングの大規模な展覧会「キース・へリング展 アートをストリートへ」が、森アーツセンターギャラリーでの開催を皮切りに、神戸、福岡、名古屋、静岡、水戸と約1年にわたって巡回されます。(レポートはこちら
 「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークを中心に地下鉄駅構内やストリートにアートを拡散させることで、混沌とする社会への強いメッセージを発信し、人類の未来と希望を後世に託したキース。彼が駆け抜けた31年間の生涯のうちアーティストとしての活動期間は10年程ですが、残された作品に込められたメッセージは、今なお人々の心に響き続けています。今回の展覧会では6メートルに及ぶ大型作品を含む約150点の作品が展示され、キース・ヘリングのアートを体感していただける貴重な機会になりそうです。社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見と支援不足に対して最後までアートで闘い続けた彼のアートは、時空を超えて現代社会に生きる人々の心を揺さぶることでしょう。(公式サイトより)

キース・へリング展 アートをストリートへ
会期:2024年4月27日(土)~6月23日(日)
会場:兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー
※この展覧会は、神戸の後、福岡、名古屋、静岡、水戸と約1年にわたって巡回される予定です


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