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女性初の機動隊員にもなった元警察官の女性が退職&カムアウトし、新たな人生を始めました

2024年04月19日

 女性初の機動隊員にもなった元警察官の女性が退職&カムアウトし、新たな人生を始めました  RBC琉球放送で女性初の機動隊員にもなるなどした元警察官でパンセクシュアルであることをカムアウトしている岸本哉子(かなこ)さんに密着した番組が放送されました。
 今年3月、イーアス沖縄豊崎で開催された沖波祭の「多様性ファッションショー」にドラァグクイーンのロビンソワさんや安里ミムさん&みーちゃんなどとともに出演した岸本哉子さん。ステージの上から「世の中には、カミングアウトできず苦しんでいる人がまだまだたくさんいると思います。みなさんのすぐそばにも苦しんでる人がいるかもしれません。自分事としてとらえてほしいです」と語りました。

 岸本さんは学生時代、男性にも女性にも惹かれることに気づきました。21歳の時、憧れていた警察官になり、女性として初めて機動隊に起用されるたりもしました。しかし、「警察官になった時も大事な彼女がいたんですけど、警察学校に入って社会を初めて見た時にやっぱり普通じゃないんだ、みんなと自分は違うんだと思って、一方的に別れを告げ、傷つけてしまった 」といいます。
 24歳の時に男性と結婚し、2人の子どもを授かりますが、30代前半で離婚。数年後、現在のパートナーの利奈さんと出会いますが、「悪いことをしてるはずじゃないのに、悪いことしているような感じ」がして、周りの人もそこに当事者がいないという前提で話をするし、ひどい場合はLGBTQに対して“気持ち悪い”とか“死ねばいいのに”という言葉があったそうで、嘘をつき続けることで心が壊れていったそうです。仕事のパフォーマンスも下がり、飲酒量も増え、時には自傷行為におよぶこともありました。そうして昨年6月、23年間務めた警察をやめ、そのタイミングでカムアウトしました。カミングアウトには周囲から反対の声も上がりましたが、「同じような思いをする人をなくしたい」という思いを強くし、幼なじみの友人の励ましもあって、決意したそうです。  

 岸本さんはその後、「これだったらLGBTの方のお手伝いもできるし、一人で仕事もできるな」と思い、トランスジェンダーの方やノンバイナリーの方なども利用しやすいオーダースーツの店「MYRO(マイロ)」を立ち上げました(マイロは「わが道」という意味でつけた店名だそうです)
 MYROは「沖縄から結婚の平等にYes!」に協賛し、「皆様の活動を心より応援しております。代表の岸本は今年の6月まで警察官として23年間勤務しておりましたが、自身がクローゼットだった経験から、LGBTQ関連の社会活動をしようと決め、警察を退職しました。ですから、このように皆様の活動に協力できることを心から嬉しく思います。お互いの存在を認め合う、誰もが生き生きとした社会を目指して頑張りましょう」という応援メッセージを送っています。  

 岸本さんは14年前からパートナーの津波利奈さんとおつきあいし、10年前から生活を共にしています。岸本さんは「もし日本で同性婚が認められたら、いまのパートナーと結婚したいなっていうのがいちばんの夢です」と語ります。今後は同性婚実現に向けての活動も考えているそうです。
 長女の祭さんは高校2年生で、利奈さんとは5歳の頃から生活を共にしています。祭さんは利奈さんを「お姉ちゃんみたいな存在」だと感じていて、本当はお母さんとおつきあいしてるということを知っても「最初は驚いただけで、あとは別に『へ~』みたいな感じ」だったそうです。  

 元警察官のLGBTQといえばKOTFEさんが有名ですが、沖縄にも女性初の機動隊員になったスゴい方がいらして、そういう方が退職後にカムアウトしてLGBTQに関するお仕事や活動を始めたというお話や、パートナーの方とお子さんと一緒に暮らしているということ、いろんな意味で驚きがあり、素敵なお話でした。これからも同性婚実現を求めて動いたり、ピンクドットにも出演したりするのではないかと思われます。岸本哉子さんの活躍に期待しましょう。
 

参考記事:
「もう自分に嘘はつけない」元警察官がカミングアウト 女性初の機動隊員のキャリア捨て選んだ道は…(琉球放送) https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1122780

パンセクシュアルをカミングアウト「もう、うそをつくのはやめよう」 23年間勤めた「天職」の警察辞め起業 性的少数者支援の活動も(沖縄タイムス)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1287403

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