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今年のアカデミー賞はLGBTQ的にどうだったのでしょうか?

2021年04月27日

 第93回アカデミー賞授賞式が4月25日(現地時間)に開催されました。以前から白人(異性愛)男性偏重との批判を受けていたこともあり、多様性を重視する改革が進められているアカデミー賞ですが、今年は全23部門で過去最多の70人の女性がノミネートされ、クロエ・ジャオがアジア系女性として初の監督賞に輝くなど、女性やアジア系の方が躍進する年になりました。LGBTQについてはさほど話題になっていませんが、何もなかったわけではありません。今年のアカデミー賞はLGBTQ的にどうだったのか?についてお伝えします。


 まず、「ブルースの母」と称されるバイセクシュアル女性、マ・レイニーを描いた映画『マ・レイニーのブラックボトム』が、衣装デザイン賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞の2冠に輝きました。
 メイクアップ&ヘアスタイリング賞はMia Neal、Jamika Wilson、Sergio Lopez-Rivera(オープンリー・ゲイの方です)の3人の共同受賞でした。代表して受賞スピーチを行なったMia Nealは、「私は今、ガラスの天井を破り、ここに立っています。将来、ここに黒人のトランス女性やアジア人女性やラテン系女性が立っている姿が見えるようです」と語りました。

 そして、短編実写映画賞を受賞したのが『Two Distant Strangers』でした。この作品の監督は、オープンリー・バイセクシュアルのTravon Freeです。

 人道的な活動を通して映画界に貢献した人に贈られるジーン・ハーショルト人道賞を受賞した俳優タイラー・ペリーは、自身の経験と母の思い出を紹介しながら、警察官による黒人暴行死事件やアジア系へのヘイトクライムなどの差別問題に触れ、「私は、メキシコ人だからとか、黒人、白人、またはLGBTQだからという理由で誰かを憎むことを拒否します。警察官だから、アジア人だからという理由で憎むことも拒否します」と語り、賞賛されました。
 タイラー・ペリーは、女装したキャラクターで人種差別や社会問題に切り込む「マディアおばさん」シリーズで絶大な人気を誇っている俳優です。リー・ダニエルズの映画『プレシャス』のプロデューサーでもあります。
 
 
 アカデミー賞といえば毎年、エルトン・ジョンが自身のエイズ基金のチャリティとしてセレブが集う華やかなビューイング・パーティを開催することも話題になっていますが、今年はヴァーチャル開催のプレ・パーティとして行なわれました。俳優のニール・パトリック・ハリスが司会を務め、デュア・リパやレディ・ガガ、『It’s a Sin』のキャストなども出演し、300万ドルの寄付金を集めました。
 


参考記事:
Oscar Winners Speak Up for LGBTQ Rights(Gay City News)
https://www.gaycitynews.com/oscars-winners-advocate-for-more-lgbtq-rights/
3分間の言葉に広がった共感 アカデミー賞「ヘイト拒否」スピーチ(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20210428/k00/00m/030/301000c
デュア・リパ、エルトン・ジョン主催の【アカデミー賞】プレ・パーティーでデュエットなどを披露(Billboard JAPAN)
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/99405/2

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