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【朗報】エムポックス(サル痘)のワクチン接種が可能に!

2023年06月13日

 6月13日、厚労省がエムポックス(サル痘)のワクチンの対象者を、男性どうしの性的接触がある人たちなど高リスク者に広げる方針をが固めたことがわかりました。近く国立国際医療研究センターなどで臨床研究として始めるそうです。※
 これまでは、感染がわかった方の濃厚接触者に限られていましたが、ようやく海外のようにゲイ・バイセクシュアル男性が接種を受けられるようになり、感染拡大を防ぐことにつながりそうです。
 エムポックスは今年に入って感染者が増えており、国立感染症研究所が13日に発表した速報値では、4日までに計166人に上っています。
 
※ただし、国内で認可されているのは生ワクチンで、HIV陽性者は安全に接種できることが確認されていません。感染した場合に重症化する可能性の高い、最もワクチンを必要とする方に届くよう、海外で使われているワクチンが利用可能になることを期待します(詳しくはこちらをご覧ください)。また、都内だけでなく、地方でもワクチンが接種できる体制が整うことを期待します。


【関連記事】
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https://gladxx.jp/column/goto/8414.html

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 ワクチンだけでなく、検査も気軽に受けられるようになることが望ましいわけですが、6月1日、ロシュ・ダイアグノスティックスがリアルタイムPCR法を用いてエムポックス(サル痘)ウイルスを検出する、国内初の体外診断用医薬品「cobas MPXV」の製造販売承認申請を行なったと報じられました。承認されれば、エムポックスの迅速な診断に貢献しそうです。
 早く都内のクリニックなどでも検査を受けられるようになるといいですね。
 
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 一方、米国では今夏、エムポックスが再び流行する可能性があると報じられています。
 米疾病対策センター(CDC)は5月15日、「人々が集うフェスティバルやその他のイベントを通して、2023年の春から夏にかけてサル痘が再び流行する可能性がある」として、感染するリスクのある人にワクチンを接種するよう呼びかけました。
 米ワイル・コーネル大学医学部パンデミック予防・対策センターのディレクター、Jay Varma氏は「今後数ヵ月の間にエムポックス患者が急増する可能性がある。しかし、リスクのある人の多くはすでに感染したか、あるいはワクチンが普及してきたため、おそらく昨年ほどの規模にはならないだろう」と見ています。ただし、過去の感染歴やワクチン接種による保護がどの程度続くかについては不明だそうです。
 CDCは目下、4月17日〜5月5日にシカゴで確認された12例のサル痘確定症例と1例のサル痘疑い症例について調査を進めています。これらの症例は全て男性(24〜46歳)で、13人中9人は天然痘ワクチンの「ジンネオス」を2回接種済みであったといいます。CDCによると、ワクチンを接種してもブレイクスルー感染は起こりえますが、重症度を下げることは可能です。
 CNNによると、エムポックスへの感染リスクが高いと考えられる人のうち、ワクチンの2回接種を完了したのはわずか23%です。米National Association of County and City Health OfficialsのCEO、Lori Tremmel Freeman氏は「最もリスクの高い人々のワクチン接種が必要なレベルに達していないことが大きな懸念だ」と、Jay Varma氏は「ワクチンの有効率や効果の持続期間に不明な点があるにせよ、接種しないよりは接種した方が良いのは確実だ」と語っています。
 米National Coalition of STD Directorのエグゼクティブ・ディレクター、David Harvey氏は「サル痘は依然として重大な懸念であり、地域社会や医療提供者は監視を続ける必要がある」「ただ、昨年と違って、われわれは今や、何がサル痘に対して有効なのかを知っているし、再びサル痘患者が発生した際には、感染者の増加を抑制するための手段も持っている。ワクチンは安全で効果的であり、症例を減らし、症状の重症度を軽減するのにも役立つ」と語っています。



参考記事:
エムポックス接種、拡大へ 男性同士性的接触ある人に(共同通信) 
https://www.47news.jp/9451952.html

ロシュ・ダイア、サル痘ウイルスを検出する「cobas MPXV」を体外診断用医薬品として製造販売承認申請(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP656386_R00C23A6000000/

米CDCが今夏のサル痘再流行の可能性について警告(DIME)
https://dime.jp/genre/1597801/

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