OEMって何ですか? | メンズパンツ屋manifica(マニフィカ)店長ブログ

OEMって何ですか?





当店のポリシーとして、

ライセンスやOEMは嫌いです。誇りを持ってパンツを作っている下着専門のブランドを主に扱っています。



と言い放っているのですが、
先日お客様から「OEMって何ですか?」と聞かれてしまいました。
わたくしの説明不足であります。
申し訳ございません。。。

その業界にいると当然知っている言葉であっても、
別の業界の方から見たら「は?」ってなることが沢山あります。

業界歴が長ければ長いほど、常識の食い違いが出てきてしまうので
注意が必要ですね。
しかも自分では気付かないことが多々あるので
困ったものです。

ハイゲージとか、糸の何番手とか、
素材についてとか、「ライセンス」や「OEM」もそうだったようです。

「ライセンス商品」って、何でしょう。



ライセンス商品とは、ライセンス元の会社以外の会社でデザイン・製造されたもの。

例えば、お洋服を作っているブランドがパンツを作りたくなりました。
お洋服のパターン(型紙)を作れる人が、下着のパターンを作れるとは限りません。
というか、一度も下着のパターンを描いたこともない人が突然パターンを描くことはほぼ無理です。

そして、お洋服と下着では、素材も違います。
行程も違います。
工場も違います。
その他、小さいパーツも異なってきます。

それをすべて自社で行うとなると、果てしない工程と時間が必要になるので
さっさと利益を出したい会社としては非効率です。
そのため、有名なブランドは、名前だけを貸してしまいます。

特に、専門的な技術や工場での生産工程が必要な商品は
それぞれの専門的なライセンス企業と提携して発売します。
あるブランドが突然バッグを作ったり、タオルを出してきたり。
Tシャツや化粧ポーチだってあっという間に作ることができます。

もちろん、ライセンス商品は偽物ではなく、正真正銘本物の商品です。
クオリティの問題もありません。

でも、私はライセンス商品は出来る限り扱いません。

「OEM」とは、なんでしょう。



OEMも、お洋服ブランドが下着を作りたいな、と思ったときに利用する方法のひとつ。

知人のブランドの場合は、
下着を製造している工場に依頼して、既存のパターン(型紙)と工程を使い、
数種類の中から生地をセレクトし、ウエストゴムだけ自社ブランドのロゴを入れました。
細かい指示も不要で、ミニマム(最低発注枚数)も少なく、あっという間にオリジナルブランドの出来上がり。

OEMとライセンス商品、他社が生産しているところは同じです。

OEM契約は、製品の仕様は依頼主が決め、完成した製品の管理権や所有権は依頼主に帰属することになります。
ライセンス契約は、知的財産権にかかわるもので、特許技術、実用新案、意匠、著作、商標など工業機械分野ではほかの企業の開発した技術、設計などのノウハウに対し、ライセンス料を支払い、ライセンス受諾者のリスクで当該製品を製造(生産)する方式です。

ちなみに、メンズのボクサーパンツの場合、タイにOEM工場が多くあるため
某有名ブランドAのボクサーパンツと、某有名ブランドBのボクサーパンツが
同じ工場で作られるとか、日常茶飯事です。

以前よくタイに買い付けに行きましたが、現地の友人に案内してもらった際、
某有名ブランドのボクサーが工場からのB品(不良品)・横流し品として、闇市場に大量に出回っていました。
それを買い付けて日本で売っている方もいらっしゃいます。

さて、「OEM」って品質が悪いのでしょうか?

そんなことはありません。
ブランドにもよりますが、
下着だけを作っている工場で作るものです、もちろん品質に問題はないでしょう。

でも、私はOEMの下着ブランドは出来る限り扱いません。

私の中で、品質についてはかなり気を使っているのですが、
品質だけの問題ではなく、ポリシーの問題。
ちょっとカッコつけていうと、「愛」の問題。
下着に、どれだけ愛を注いでいるか。

つまり私の自己中心的な問題で、取り扱いません。

下着にちゃんと向き合って、考えて、
気持ちを込めて生産するブランド以外は、どんなに有名なブランドでも扱う気持ちになれないのです。

私が一番大好きなブランド、ドイツのOLAF BENZと兄弟ブランドのMANSTORE。

ここの何が好きかって、
OEMやライセンスではなく、自社で責任をもってすべて完結しているところ。
普通は生地市で仕入れた生地を使用することが多いのですが、
OLAF BENZは生地を独自にオリジナルで開発しています。

他では真似ができない、薄くしなやかなファブリックは、OLAF BENZ独自のもの。
何度も試行錯誤を重ねて、失敗をして、経験を積んだ、
「下着のためだけに考えられた」最高品質の素材なのです。

それを、独自の立体パータンで、ドイツの自社工場で作ります。

この思い入れの強さ、わかるでしょうか。

最初から最後まで、責任をもって、しっかり作り上げる。
クオリティの高さも、デザインの良さも、もちろん好きですが
なによりもその真摯な姿勢を信頼して取り扱いをしています。

ライセンス商品も、OEM商品も、否定はしません。
実際、現実的で効率的な方法です。
なので、どのパンツがライセンスか、どこのブランドがOEMか、ここで公言は致しません。

ただ、人には好き嫌いがあるように、
高野豆腐を嫌いな人がいるように、
私がそのやり方を好きではない、それだけのこと。

私は猪突猛進型で、好きになったら一直線なので
いろいろ曲げたくなくて大人の社会にはあまり向かない人間かもしれません。

それでも、共感してくださるお客様に支えられて何とかやってきています。
これからもこの姿勢を崩さずに、信頼できるものだけを扱っていきたいと思います。


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