まずはじめに、AGAの原因について知りたいです！

AGAの原因は「ジヒドロテストステロン」という悪玉の男性ホルモンです。

この男性ホルモンが頭皮にある毛乳頭で働くと、脱毛シグナルが出て髪の寿命が短くなってしまいます。

健常な人の身体の中でも作られるホルモンなので、誰でもAGAを発症する可能性がありますが、遺伝的にこの男性ホルモンのできやすさや、影響を受けやすい人がいます。

つまり個人差が大きいので、「AGAかも」と気になる人は気軽にカウンセリングを受けてみてほしいですね。

男性ホルモンでいえば、よく「筋トレをするとハゲやすくなる」と聞きます。

これって本当ですか？

よく誤解されますが、筋トレとAGAは特に関係はないですね。

テストステロンという男性ホルモンが筋肥大と関係しているため、このような噂が流れているのだと思います。

男性ホルモンにはいくつか種類があり、薄毛の原因は「悪玉男性ホルモン」（ジヒドロテストステロン）なので、テストステロンとは別物なんです。

それは安心しました！

筋トレでいうと、僕は大会前にカラダを絞るために糖質や脂質を控えることもありますが、これは髪に影響しますか？

一般的には問題ないかと思います。ですが極端に偏った食事で栄養不足の状態になると、髪が細くなる、抜け毛が増えるなどトラブルが発生します。栄養は十分に摂ってください。

髪に良い栄養素でいうとまずは「タンパク質」。

そして亜鉛や鉄などのミネラルが髪の成長に良いとされています。亜鉛が含まれているのはナッツ類や牡蠣など。豚肉、牛肉など肉類にも多いですね。

もし食事で摂取するのが難しい場合はサプリメントでもOKです。

男性ホルモンが多い人は「性欲が強くてハゲやすい」と聞いたことがあります。これは本当ですか？

これはよくある噂で、医学的な根拠はないですね。

テストステロン量が多いと性欲が強いといわれますが、テストステロン量と薄毛は関係ないという研究結果がありますから。

そうなんですね！ゲイは性欲旺盛な人多いので、気になっている人も多いかなと。

セックス前に飲む滋養強壮剤やサプリなども問題ないですか？

全然大丈夫です。強壮剤によく含まれている「マカ」という成分も、性ホルモンへの影響はないとされています。

同じく、よく含まれている「亜鉛」は、髪の成長を助けてくれるのでむしろ良いんです。ただし、摂りすぎには注意してくださいね。

髪に影響あること、たとえばお酒やタバコはどうですか？

お酒とタバコは髪に悪影響ですね。

髪に必要な栄養である「亜鉛」は、体内に入ったお酒を分解するときにも消費されます。大量に飲酒をすると体が亜鉛不足になる可能性があります。

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる働きがあるため、毛根の細胞に酸素や栄養が届きにくくなり、薄毛の原因になることがあります。

なるべくお酒とタバコは控えた方がいいんですね。

薄毛にならないための良い習慣はありますか？

特に「睡眠」は大事ですね。

睡眠時に出るホルモンが髪の成長を促進すると考えられます。

このホルモンは、入眠から2時間程度の深い睡眠状態で多く分泌されます。深い眠りに入れるよう睡眠の質を上げることが大事です。

睡眠の質を高めるためには、夕食は眠る3時間前までに済ませる、お風呂は眠る1～2時間前に入ることを心がけましょう。

もし薄毛になった場合、どんな治療がありますか？

基本的には「飲み薬」や「塗り薬」で治療をしていきます。

代表的な薬を紹介すると、AGAの原因であるジヒドロテストロンという男性ホルモンを抑える「フィナステリド」、「デュタステリド」という飲み薬があります。

他にも血管や毛乳頭細胞に直接働きかける「ミノキシジル」や、髪の成長を助ける「亜鉛」などのサプリメントなど。

一人ひとりの症状に合わせて、複数の薬を組み合わせて治療を行いますね。

普段飲んでいる薬とAGA薬は組み合わせても大丈夫なんでしょうか？

たとえばゲイで服用している人が多い薬「PrEP」「HIV薬」「ED薬」など。

PrEPやHIV治療に使われる薬の中には、飲み合わせが良くないものがあったり、飲む時間を6時間（または12時間）空ける必要があるものがあります。

また、ED薬には血管を拡張する働きがあるため、同じく血管拡張の働きがあるミノキシジルと併用するのは避けた方がいいかもしれません。

このように、飲み合わせによっては注意が必要なお薬もあるので、普段飲んでいるお薬がある場合は必ず医師に相談してくださいね！

AGAには「注射型」の治療もあると聞きました。飲み薬とはどう違うんでしょう？

注射で行う治療を「メソセラピー」と呼んでいて、薄毛が気になる部分に、医師が直接有効成分を注入する治療です。

毛根の細胞を活性化させる有効成分（成長因子やエクソソームなど）を使います。

飲み薬との違いは圧倒的な効果の高さです。

AGAの症状が進んで飲み薬だけで改善が難しい方でも、効果が得られやすいと思います。

メソセラピーは、飲み薬よりも副作用が出にくいというメリットもありますね。

内服だと全身の臓器に薬が行き渡りますが、注射だとピンポイントに効かせることができますから。

もちろん、飲み薬と比べると少し高くなってしまいますが、AGAが進行している方、効果を出したい方にはオススメの治療法ですね。

もしAGA治療をはじめたら、一生続ける必要がありますか？ 

必ずしも一生続ける必要はありませんが、薬をやめてしまうと徐々に薄毛が進行してしまいます。

そのため、1年目は複数の薬で強力に毛髪を生やし、毛量に満足したら2年目以降は薬を減らして、その状態を維持するのが一般的ですね。

AGA治療の辞め時は人それぞれですが、自分の価値観が変わった時です。

価値観やライフステージが変わり、薄毛の悩みがあまり気にならなくなった時が治療の止め時かもしれません。