#夢を小説風に書いてみました。


ある朝目覚める。


遠く獣の皮の絨毯の

向こう側にある

廊下に続く扉から、

コンコンとリズミカルな

ノックが響いた。

わたしは、ベッドの中で

ノソノソと蠢くが覚醒せず微睡む。

静かに扉のロックが解錠する。

扉が遠慮がちに開き朝食が運ばれた。

世話係は、まずはじめに扉の正面の

雨戸を開ける。

次に重たいカーテンを結ぶ。

ベッドはの辺りは薄暗く、

向こう側はキラキラと煌めく。

「おはようございます。」

さわやかな笑顔。紅茶の香り。

わたしは鬱陶しそうに、

眠たい意思を大げさに振る舞う。

世話係はそれを無視して

1日のわたしの予定をサラリと読む。

わたしのひとを拒絶するための

一世一代の演技はあっさり幕を閉じた。

ベッドで聞く限り、

わたしの愉しみにりえるような予定はない。

世話係は口調を強く、続ける。

わたしたちの国の資源はなく。

資本もわずかしかない。

街には失業者が溢れている。

眠っている暇は残念ながらありません。

はい、

残念な君主で誠に遺憾ですと、

肚の中で悪態を吐く。


朝食を摂りながら資料に目を通す。

次の会食のために身を清潔に髪を整える。

この部屋から一歩も

外に出たいと考えなかった。

そんなわけにいかず

促されるまま部屋を出た。

その後、会食にて街で求められるがままに

おばちゃんと記念撮影していたところ

アンチ王家の組織にSNSで叩かれるという

ニュースを突きつけられ、狼狽した。

どうやら巷でわたしは

執政も行わずアイドル気分で

闊歩していると話題らしい。

おばちゃんと絡むんじゃなかった。


というトホホな夢をみました。